高性能な無音/超静音PCを自作する方法 - 原因
2018/04/07
ブオーーーーーン キュイーーーンギギカカカカカカカ フォーーーーーーーー
PCの音って気になりだすと不快ですよね。性能を妥協しない、超静音または完全無音のPCを自作する方法を検討しました。そして実際に作ってみました。
まずはPCの出す音の原因を探ってみましょう。
音と疲れの密接な関係
PCが騒音を出していると、単に「不快」なだけではなく作業の効率や疲れにも影響します。
軽自動車で高速道路を走行すると、多くの人が普通車よりも疲れると感じるでしょう。運転手にはもちろん軽自動車のパワーや走行安定性などの性能も影響しているでしょうが、同乗者も同じように疲れると感じやすいと思います。軽自動車ではエンジンをぶんぶん唸らせて走らないといけませんし、車体の造りからくる静粛性もどうしても劣ってしまいます。つまりうるさいんです。うるさいとそれだけで疲れます。
疲れるということは作業の効率にももちろん影響するでしょう。PCを使う人、特にデスクトップPCを自作するような人は、動画編集や文書作成、絵を描いたりプログラミングしたりと何らかの作業をする場合が多いでしょう。せっかく高性能なマシンでサクサク作業を進めたいのに、効率の低下は致命的ですね。
娯楽目的でも重要
ゲーム目的でPCを自作する人も多いでしょう。作品によりますが、ゲームもある種作業的な要素があるので、快適なゲーム生活にPCの静粛性は無視できないでしょう。
録画したテレビを見たり、映画を見たり、音楽を聴くためにPCを使う人も多いでしょう。ゲームもそうですが、これらには「音を聴く」という要素が含まれるので、無駄な騒音は避けたいですね。
PCが出す騒音の要因
PCが出す騒音の要因には以下のものが挙げられます。
種類 | 音源 | 目的 |
---|---|---|
ファン | CPUファン | 冷却 |
ケースファン | 冷却 | |
グラフィックボードファン | 冷却 | |
電源ファン | 冷却 | |
ディスク | ハードディスク | データの読み書き |
光学ドライブ | データの読み書き | |
コイル鳴き | マザーボード | - |
電源 | - |
冷却ファン
PCは熱を出します。パソコンに入った電気は計算という仕事をした後、すべて熱として捨てられます。
PCから出る熱をそのまま冷却しなければ、PCは熱から自分自身(とデータ)を守るために性能を落とします。それでも高熱が続くと動作が止まります。高熱で動けなくなるなんて人間みたいですね。
冷却ファンはPCから出る熱を空気中に捨てます。PCを冷やして部屋を暖めるわけですね。暖房です。
冷却ファンの回転数は、よくある製品で1分間に300~3,000回転とかなり幅があります。最近は使用中に速度を上下させられるものが大半ですね。止めても即座にPCが壊れたりはしませんが、常に止めておくには相応の対策が必要です。
ディスク
SSDが随分普及してきましたが、まだ記憶ドライブとしてハードディスクは多く使われています。データを読み書きするためには内部で磁気ディスクを高速で回転させないといけないので、使用中に止めることはできません。
CD/DVD/Blu-rayなどの光学ドライブは最近ではめっきり出番が減ってしまいました。音楽ならiTunesなどネット経由で買えますし、映画ならHuluのようなオンデマンドサービスもあります。特に映画を見ない人であれば、WindowsやOfficeのインストールにしか使わないかもしれませんね。
コイル鳴き
上の二つが目的ある騒音なのに対し、コイル鳴きと呼ばれる騒音は防ぐことのできる「無駄な音」です。
PCに使われる電圧の多くは降圧によって得られています。降圧には一般にスイッチングレギュレータ+コイルという構成になっていて、降圧するときにはコイルが小刻みに振動しようとします。この振動が空気に伝われば、振動の周波数の音と鳴って耳に届きます。これによって「ジジジジジ」「キーーーン」という高音が微かに鳴ります。
主に音が出るのは、電源ユニットとマザーボード、それにグラフィックボードです。
コイル鳴き自体は降圧の副作用のようなものなので、コイルを(大型のものの場合は)ホットボンドのようなもので固定すればPCの動作に支障なく防げます。表面実装の小さなコイルであれば、基板の両面に同じ周波数で振動するコイルを置くことで打ち消すこともできます。ですが、これらの対策には相応の手間やコストがかかるので、安い製品ではコイル鳴きが出てしまうということです。
高音で耳障りではありますが音自体が小さいので、静音をウリにしている製品以外ではあまり気を遣っていません。
まとめ
今回はPCの出す音の原因を3つ紹介しました。なんとかすべて無くして無音にしたいですね!
次回はそれぞれに対する対策を紹介します。